「お肉や乳製品はカラダに悪い!植物性食品で健康になろう!!」
「糖質が体を蝕んでいる!お肉や卵を食事の中心にするべきだ!!」
インターネットで「健康」について調べてみると、無数とも言えるような様々な意見が飛び交っていて、「いったい何が真実なのーーー!!??」と逆に気分が不健康になったりしませんか?
様々な情報を集めたようなサイトになると、ベジタリアンやビーガンの利点と肉食の利点のどちらの記事も掲載されていたりします。
現在ではたくさんの情報や意見、体験談などを気軽に知ることができるメリットがある反面、その多さに圧倒されて、自分は何を選択すればいいの?と悩んでしまうデメリットもあります。
今回は、主に発信されているそれぞれの食生活の情報(主に健康)についてまとめつつ、いろいろな食生活にチャレンジしてきた自分の経験を踏まえて、私なりの考えをまとめてみたいと思います。
それぞれの食事法の主張
ベジタリアン・ビーガン・マクロビ・ローフード・糖質制限・グルテンフリー・パレオ・血液型ダイエット・MEC食・ゲルソン...などなど、様々な食のスタイル(食事療法)が存在しますが、それぞれが主張するメリットは相反するものがあります。
今回は、ベジタリアン(ここでは、卵・乳製品は食する人として表現します)・ビーガン・雑食・肉食(糖質制限などの動物性中心の食生活)について取り上げます。同じ食事法でも発信者によってちょっとした意見・解釈の相違があるようですが、主に言われている内容をご紹介します。
ベジタリアンの主張

【1】抗酸化物質やビタミンを豊富に摂取できる
ほとんどすべての植物由来の食品は、抗酸化物質の量が多く、抗炎症作用も期待できます。野菜、果物、豆類や古代の穀類などの植物性食品は、フラボノイド、レスベラトロール、ケルセチン、ベータカロチンなどの抗酸化物質や植物栄養素など、多くの栄養素を提供してくれます。
また、必須ビタミン、例えばビタミンC、EおよびA、マンガンまたはリンのような微量鉱物、カリウムおよびマグネシウムのような電解質など、酸化ストレスと闘う栄養素を供給してくれることで、病気の進行を止めるのに役立つかもしれません。
【2】心臓疾患に対するリスクが軽減する
食物繊維を多く摂ることで、コレステロール値の上昇や心臓病、糖尿病に対する予防ができるとする研究が多くあるようです。植物性食品は高繊維質の食材が多いため、特に心臓疾患に対するリスクが低下するという意見が多くあります。
【3】肥満のリスクが低下する
植物性食品の多くが、高栄養であるけど低カロリーであるため、健康的に体型を維持しやすいと言われています。高カロリー低栄養素の食品が増えている現代において、健康の秘訣は「植物性」ということです。
【4】消化酵素が多くとれる
酵素は、人が食物を栄養として消化吸収したり、代謝したりするときに必要なものです。この酵素は、加熱により減少消失してしまいます。もちろん酵素は体内でも生成されますが、酵素を含まない食品の消化や代謝が多くなると、酵素を生成する内臓に負担がかかります。それを防止するためにも、酵素を多く含んだ生の食材を多く取り入れることが、健康につながると言われています。
加熱調理が基本である動物性食品ばかり食べていると、酵素不足になり、消化や代謝が満足にできなくなります。そして、身体の不調に結びつくということのようです。
【5】食肉に含まれる副産物や添加物の摂取を避けられる
肉が高温で加熱されると、発がん作用を有する可能性があるヘテロサイクリックアミンと呼ばれる特定の化合物が生成されます。高度に処理された肉製品の消費とがんのリスクの上昇との関連を指摘している研究もあるようです。肉の調理温度が高いほど、これらの副産物が生成される可能性が高くなるといわれています。
一方、植物由来のタンパク質は、繊維や抗酸化物質に加えて、発がん性の影響を伴わずに、アミノ酸(特定の種類と量は食物によって異なる)を取ることができます。
また、加工肉に含まれている添加物にも健康を害する可能性が認められているため、ベジタリアン食はこれらの摂取も避けることができるというメリットがあるようです。
ビーガンの主張
基本的には、ベジタリアンの食事に関するメリットと同様で、肉食による弊害を排除でき、さらに植物性食品に多く含まれるビタミンやミネラルを摂ることができるという利点が挙げられています。
ここでは、ビーガン特有のメリットについて取り上げます。
【1】乳がんや前立腺がんのリスクが軽減する
乳がん・前立腺がんになる可能性を高めるとされているのは、乳製品です。お肉やお魚だけでなく、乳製品も食べないビーガンは、これらのリスクを低下させる健康的な食生活だと主張されています。
牛乳についての害は、「牛乳神話」という形でよく語られるようになりました。特に日本人は乳糖不耐症の人の割合が多く、「牛乳を飲むとお腹を下す...」なんて人も珍しくありませんよね。今では、牛乳アレルギーの子供も増加しており、少量の摂取により学校で亡くなられた小学生もいました。
また、乳製品の摂取量が多い国の人の方が骨粗相症の割合が高いというデータもあり、スウェーデンの医療研究で女性を対象として行われた調査では、牛乳を常飲している人の方が、全く飲まないか少量しか飲まない人と比べて骨折経験の率が高いという結果になったようです。カルシウム・パラドックスといわれる現象も確認されているようです。(参照URL:http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6015 )
【2】心臓病や脳梗塞の予防
卵はとても栄養価が高く、毎日1〜2個食べることを推奨している人もいます。
しかし、そんな卵にも心臓病や脳梗塞などの原因となるアテローム性動脈硬化症を引き起こすとされる研究が出てきました。週に3個以上の卵(特に黄身)を食する人は、そうでない人よりも血管が詰まりやすくなり、結果的に動脈硬化にがおこってしまうリスクが高いということです。(参照URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22882905 )
【3】飼育環境による質の不安を回避
広い牧草地に毛並みのいいツヤツヤしたかわいい牛さんたちが美味しそうに草を食べている。そして、子供が生まれると母牛のミルクを分けてもらう。牛乳にはそんなイメージがありますか?
広い鶏舎で元気よく動き回って「コケコッコー♪」と楽しそうな鶏さんがポンッと産み落とした卵を分けてもらっている。卵にはそんなイメージがありますか?
真実は、違います。
多くの母牛は一生のほとんどを狭いスペースで過ごし、何度も人工授精により妊娠出産させられ、我が子にミルクをあげることは許されず、機械でミルクを搾り取られています。
多くの雌鶏たちは、バタリーケージという狭い檻の中で過ごし、羽を伸ばすこともできず、卵製造機のように扱われます。(もちろん放牧中心、放し飼いが基本の場所もありますが、ごくわずかです)
そんな状況の牛や鶏たちは何も感じないと思いますか?もちろん感じているはずです。そのため、ストレスや悪環境により多くの家畜動物が病気になってしまいます。
そこで、活躍するのが、「抗生物質」です。畜産動物にとっていい環境を作るより安上がりということなのでしょうか。
薬だけでなく、餌の質にも問題があり、安価に生産するために遺伝子組み換えの作物が与えられ、本当は牛の食べるものではない穀物を与えられ脂肪分を増やす...
その末にスーパーなどに並べられる牛乳や卵ができるのです。
これらを「栄養補給」や「健康食品」としていただくのには少し違和感がありますね。質にこだわった高価な品を選べばいいかもしれませんが、加工食品に使われている乳製品や卵について調べるのは現実的に大変なことです。
これらの理由からもビーガンだと健康的な食事をしやすいと主張されています。

雑食の主張
バランスが一番!
「バランスの取れた食事」これが一番いいと子供の頃に習いませんでしたか?
私は、「お肉やお魚だけでなくお野菜や主食のご飯もしっかり食べましょう。」と教えられた記憶があります。
三大栄養素の「黄・赤・緑」は有名ですね。
黄:炭水化物
一日にとるエネルギーのうち50%から65%は炭水化物からとるのがよいといわれています。最近の日本人の食生活は、炭水化物からとるエネルギーの割合が低くなり、代わりに脂質からとるエネルギーの割合が増えています。主食となるごはんやパンは、炭水化物を多く含み、体を動かすエネルギーになります。
赤:タンパク質
一日にとるエネルギーのうち、13%から20%まではたんぱく質からとるのがよいといわれています。たんぱく質を豊富に含んでいる肉類、魚介類、卵、乳製品、豆類などをバランス良く食べましょう。
緑:ビタミン・ミネラル
そして、脂質も大事な栄養素の一つです。
一日にとるエネルギーのうち、1歳以上の方は20%から30%を脂質からとるのがよいといわれています。でも、とりすぎには注意しましょう。
動物性のあぶらと植物性のあぶらでは、含まれている成分が異なります。いろいろな食品をバランスよく食べれば、必要な成分をとることができます。
引用元:農林水産省(http://www.maff.go.jp/j/fs/diet/faq.html / 同ページにはビタミン、ミネラルについての言及はありませんでした…)
特に「赤」を補うためには肉・魚・乳製品・卵は大事な食品の一つとされています。そのため、雑食推奨派の人は、動物性食品の排除は不健康だとするようです。
楽しまないと!
何でも食べる人の主張として、いろいろなものを食べることにより、思考も豊かになり人生をより充実したものにできるという意見もあります。「食育」という言葉を用いて、「子育てにおいて偏食はダメ!」と主張される方もいます。
確かに、彩り豊かな食事は、心も豊かにしてくれそうです。「これは食べたられない、あれもダメ」と言っていたら窮屈になってしまいそうと感じるのも納得です。
肉食中心の主張

健康のために極端な肉食(動物食品)推奨派の人たちもいます。
このお肉推奨派の人たちで一番わかりやすく有名な食事法が「MEC食」です。
基本的には、M(meat、お肉)/E(egg、卵)/C(cheese、チーズ)を食べればいいというもので、この食事法では、お肉:200g、卵:3個、チーズ:120gがベース量となっています。(体型や体質により増減があるようです)
この食事法で大事なのは、カムカム30回!「よく噛んで食べましょう」ということです。
これはとても納得ですね。菜食であってもよく噛んで焦らずゆったり食事をすることはココロもカラダも健康に繋がりそうです。
とにかく、お肉推奨派の人は「糖質(炭水化物)= 必須ではない」と考えています。むしろ糖質があらゆる病気や不調の原因だとしています。
そして、MECを食べていれば、必須栄養素のタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルを十分に摂取することができるとしています。
「糖質制限」や「MEC食」「パレオダイエット」などは、狩猟・採集の時代の人間は、糖質制限食だったと主張します。そして昔の人間は健康だったと主張し、動物性食品の重要性を説いています。
相反する情報が蔓延する理由
なぜ、これだけ科学技術の進化がめざましく、高度な研究や実験ができる時代においてもこんなにも異なった意見が蔓延しているのでしょうか?
ここからは、私の憶測に過ぎませんが、いくつか考えられる理由を挙げたいと思います。
1.現代でも未解明
人の体はどこまで解明されているのでしょうか?私は科学者でも医学博士でもありませんが、おそらく100%解明されることはないのでは?と思っています。
遺伝子の謎、細胞の謎、血液や皮膚や...とにかく様々な面において多数の意見が存在し、また新しい見解が増え続けています。
食物アレルギーやアトピーについて、私は息子のためにといろいろな先生の意見を聞きに行きました。
「母親の食事が母乳にも影響する」「母乳に食べたものが影響するはずがない」「除去をしていれば成長とともに食べられるようになる」「完全に除去をしていたら食べられるようになる確率は下がるから、少しずつ食べさせなさい」「湿疹は毎日石鹸できれいに洗って清潔にしていれば治る」「アトピーの子は洗いすぎにより乾燥してしまうから、お風呂は2〜3日に一回で十分」「アトピーは軽いうちに薬で治してあげないとどんどん酷くなる」「アトピーに薬を使用したら皮膚からの排毒を妨げることになるから良くない」
“専門家”と言われる人たちの意見を聞いても、全く異なることが多々あるのです。
人体の解明がなされないにもかかわらず、100%健康な食事法が解明されるはずがないのです。
2.体質・思考の違い
これは、身体の謎にも関連しますが、一人として同じ人間が存在しないということは、ある食事法において全く同じ反応を起こすこともまれなことなのです。
そして、思考や感覚についても、みなそれぞれ違っています。同じような人はいますが、それと同時に正反対の考え方を持っている人もいるのです。
そのような状況がベースとしてあるので、ある人にとっては「最高!」と思える食事法、ライフスタイルが、別の人にとっては「最悪…」な食事や生き方になることがあるのです。
3.それぞれの正しさを証明したい
誰でも、自分が “思っていること感じていること” が、世界の中心です。
「いや、私は自己中じゃない!」という反論が聞こえてきそうですが、誰ひとりとして他人のカラダやココロに入り込んで、他人の魂で何かを考えたり感じたりすることはできません。少なくとも今の時点では不可能です。(私の知識不足だったらごめんなさい(汗))
そのため、みんな等しく自分の思考や視野を中心として生きています。
それをちゃんと自覚していないと、「自分の考えが絶対だ!」「なんであなたには分からないの?」と言った感情が湧き上がります。
そして、その感情を浄化したくて、自分の正しさを証明しようとします。これが、同じことを対象とした研究であっても異なる結果が導かれる原因の一つではないかと考えます。
4.経済的な理由
現在の日本において、一般的にとられている食生活は、動物性食品に依存している傾向にあります。
無意識に選んでいると感じにくいですが、動物性の食材を避けようと意識すると、外食では特に困難なことに気が付きます。「日本では鰹だしの歴史が深いからね!」というレベルではなく、どんなメニューにもお肉か魚を入れないと「料理として成立しない!」とでも言いたげなほど、あらゆるメインのおかずに動物性食材が使用されています。
そして、この食材たちが生み出しているのは「満腹感」や「エネルギー」だけではありません。
「お金の流れ」を生み出しています。
外食に限らず、現代の私たちが食事をするためには「お金」が必要不可欠です。スーパーで買い物をする時もそうですし、誰かから頂いたものでも、贈り主はお金を払っています。野草を食べたり、野生の動物を捕まえて食べている人もいるかもしれませんが、ごくごく少数のレアなケースです。
このような経済的な理由からも、マイナスな面を消し去りたい心理 が市場全体に流れてしまうのではないかと思います。
主要なメディアが、「牛乳は危険!摂取を控えよう!!」なんて言ったらどうなりますか?
テレビコマーシャルの多くに食品関連のものがあり、そのほとんどに乳製品が使われていると思います。それにもかかわらず、牛乳を批判したりしたら…テレビ局は破綻するのではないでしょうか。牛乳の良い点を挙げるか、悪い点に言及しないのが一番です。
逆に、ネットの世界では少しづつ牛乳の害について言及している記事が増えていますが、それは豆乳や他の植物性ミルクを売りたいと考えている人たちの策略かもしれません。
逆に、豆乳の害を主張している人もいますが、その人が参考にしている研究は、酪農業界が仕組んだ嘘の研究かもしれません。
逆に、植物性ミルクの素晴らしさを主張している人は、そのミルクの販売者と関係がある人かもしれません。
疑いはじめたらキリがないですね。
このように、世の中で発信されている情報には、個人の感情といった小さなバイアスだけでなく、国や企業といった大きな組織単位での操作がある可能性もあるのです。
私の考えるライフスタイルの選び方
今の私自身の選択には、これまで見聞きしてきた経験や固定観念があり、先に言ったように体質や感覚の違いがあるので、他の人にとって必ずしも最良ではないでしょう。
わたしは、自分自身の心身の健康を他人任せにするのではなく、いろいろな人たちの意見を参考にしながらも、自分なりに工夫して生活しています。
その形が「フレキシベジ」というスタンス…といいますか、考え方になりました。
「変化」していくことを前提として、このようなネーミングにしたので、これからもいろいろな変化をしていくと思います。今は考えられませんが、場合によってはお肉やお魚を食べることもあるかもしれません。反対に、いただきものであろうと完全に卵や乳製品、はちみつも拒否するビーガンの食スタイルになるかもしれません。
菜食は健康?
菜食が健康であるかどうかの答えは、結局のところ「個々(ココ)」にあります。
これでは元も子もないと言われてしまいそうですが、これがやはり真実に一番近い答えだと思っています。
私にとっては菜食が心身ともに健康でいられる秘訣です。それは今の時点では確信のようなものを持っています!そのためにも卵や乳製品も食さないビーガンとして生活したいとも感じています。
しかし、これがすべての人に当てはまるとも思っていません。
ただ、畜産の現実を知ってら、できるだけ動物を食べることのをやめてみることが「平和的である」ということはなかなか否定できない事実でしょう。
ひとまず、何が健康であるのか?という視点は置いておいて、自分は何を選びたいか?ということを、これまでの人生において刷り込んできた固定観念をできるだけ排除してから考えてみてほしいです。例えば、「雑食」の項目で述べた食の彩りに関していえば、野菜や果物、穀物だけでもとても色鮮やかな食事ができます。これは、知らないと想像つきにくいと思いますが、工夫しだいでどんなことでも解決可能なのです。

その上で、私は自分で狩りをしてでもお肉を食べたい!お肉大好きー!!ならば、美味しくいただけばいいと思います。きっと健康でいられます。
畜産の現実を知ったら、やっぱりお肉は控えたい…と感じた人は、今できることからはじめればいいと思います。自分の選択に自信をもって無理をしなければ、きっと健康でいられます。
柔軟であれば健康でいられる

どんなライフスタイルを選択していても、最終的には柔軟な思考や感情を持っていることが大切です。
同じビーガンの人でも、自分がビーガンメニューを食べている目の前でお肉を食べている人がいた時に「なんて残酷な人なんだ…」と怒りの感情が湧き上がってしまう人と、「私が食べてるビーガンメニュー美味しい!(あなたにもあげたい☆)」なんて楽しく受け入れている人とでは、食べているものがカラダやココロに与える影響も違ってきそうではないですか?
普段の生活の中でも、ストレスを貯めないことが一番の健康法だと私は思っています。そして、「反発・(悪い意味での)反応」といった感情を、できるだけ持たないようにすること、「柔軟」な気持ちでいることが、何よりも人を健康に長生きにしてくれるはずです♪