私がベジタリアン・ビーガンをやめた理由〜菜食の挫折とは〜

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フレキシベジでいきましょ〜♪

とおすすめしている私ですが、実は私は様々な理由により菜食に出会った8年前から2度、菜食中心の食生活から何も気にしない雑食の生活に戻っています。

こちらの記事でいろいろな菜食をやめる理由を述べてきましたが、この中には私の実体験もあります。そのため、ベジタリアンライフを挫折してしまう人の気持ちはとてもよくわかります。

今回はなぜ私が菜食をやめてしまった時期があったのか、しかもなぜ何度も同じようなことを繰り返してしまったのかお話します。

私が菜食を挫折した理由

私が菜食を初めた理由は、体調不良を改善したく「健康」を求めてマクロビを取り入れたことが始まりです。別の記事でも触れましたが、長い間悩んでいた「生理不順」、この女性特有の悩みがきっかけで菜食に出会いました。

最初に取り組んだ「七号食」という半断食でデトックスを試み、三ヶ月以上の無月経から解放されました。

そしてマクロビ生活は約半年間続きました。この期間は、「健康」を理由に玄米菜食を心がけて、ほぼビーガンの生活を続けていました。

なぜ半年で終わったのか?

それは、恋人ができたから。

「なーんだそんなことでやめちゃうんだ」と思われそうですが、半年前までベジタリアンの世界など知らず、異色な世界だと思っていた当時の私は、お肉が大好きな彼に「私はベジタリアンですと言ったらどう思われるだろう…」と、とても気にしました。変に思われたくもないし、受け入れてくれたとしても気を使わせてしまう…。今考えてみればこんなどうでもいいこと(これは言い過ぎ?)を悩んでしまったのです。まだ価値観による菜食ではなかったことも原因だったのかもしれません。

相手が自分の選択や価値観を受け入れないことは、良いとか悪いとかの話ではなく、その相手と自分が合うのか合わないのかの話であると今では思います。当時の私は、自分の選択を相手の反応を気にして変えてしまいました。しかし、何かにつけて相手に合わせることを習慣にしていたら、そのうち自分の本当の気持ちがわからなくなってしまうかもしれません。そうなってから、「自分は何を選びたいのか。何が好きなのか。どうしたいのか。」と考えても全く思い浮かばなくなります。「趣味がない」という人は、もしかしたら、相手に合わせる生き方が当たり前になっていることも原因の一つかもしれません。

いわゆる「人間関係」を理由に私は一回目の菜食をやめました。それから2年間、特に動物性植物性とは考えず、衣食住を選択していました。

2度目の菜食生活

その間に、結婚・出産を経験し、2度目の菜食を始めることになります。その理由は子供のため

長男は、生後4ヶ月頃からひどいアトピーになりました。周囲から「かわいそう」と言われてしまうほど、顔も体も湿疹で真っ赤になりとてもとても悩みました。インターネットや本で色々調べた結果、菜食の経験があった私は「食事」に理由があるのではと思い始めたのです。そこで「食物アレルギー」の疑いが浮上しました。授乳後に痒がることが多かったからです。思い当たる食材を単独で食べて数時間後授乳する方法で、原因を突き止めようとしました。そこで「卵・乳製品・小麦」が原因では?と思い、私自身の除去食が始まりました。その時はすぐにお肉やお魚を断つことはしませんでしたが、マクロビの経験があった私は、主人に説明し理解をしてもらった上で、玄米菜食中心の食生活を実践しました。その効果は格別で、「食物アレルギー」が治ったわけではありませんが、除去により皮膚の状態は良くなり、薬を使わなくなっても肌がきれいな状態を維持できるようになりました。血液検査の結果もやはり「卵・乳製品・小麦」が陽性でした。

しかし、ここでも「(子供の)健康」が理由での菜食生活であったため、授乳が終わり、除去食の必要性がなくなった時点で、また雑食生活に戻りました。

ここでの理由は「人間関係」と「我慢ができなかった」でした。家族との食事、ママ友との食事、そして一番大きかったのは、手伝いに来てくれた母の美味しい手料理。これを拒否するほどの理由がその時の私にはなかったのです。「ビーガン」という存在はこのときは知っていましたが、詳しく調べることはありませんでした。

それから3年ほど、特別な制限はせずに、添加物などを避ける程度の健康食を意識した食事をしていました。この間に、「糖質制限食でアレルギーが改善する」という情報を見つけた私は、できるだけお米などの糖質の多いものを避け、お肉やお魚を子供に与えていた時期もあります。これは2ヶ月ほどで疑問になり、やめました。

そして、「健康」とは別の理由で菜食を選択するメリットに出会うことになります。

肉食の裏側を知る

SNSで友人がシェアしてくれた「妊娠ストール」。これは、家畜の豚に使われる狭い檻(おり)のことです。多くの母豚がほぼ一生をこの狭い檻の中で過ごすことをこの一つの投稿から知ることになりました。日本では、8割ほどの飼育場で使われているようです。ここでは妊娠ストールについて詳しくは述べませんが、検索すると様々な情報を知ることができます。

食用のお肉やお魚が元々生きた動物であることはもちろん知っていました。これを知らない大人はほぼいないでしょう。(小さな子供の場合、海や川で泳ぐ魚とスーパーで並んでいる魚は別のものと認識してしまうことがあります。我が子がそうでした…理解してもらうのはとてもむずかしい(汗))マクロビを実践していたときも感覚的に動物を犠牲にすることなく食事ができることを嬉しく思っていたのも事実です。

しかし、飼育されている場を見たことがなく、スーパーで並んでいるあの「食材」になるまでの過程を真剣に考えたことがなかった私は、いろいろなサイトで動画などの情報を見たことでとても衝撃を受けました。

それから、ビーガンというライフスタイルを意識するようになったのです。

3度めの挫折!?

1年近くほぼビーガンな生活を続けたのですが、やはり厳しい面が多くありました。家族との食事はもちろんのこと、親戚との関係でも完全に貫くことが難しくなったのです。菜食に関わる仕事をしていたわけでもなかったので、自分の考えを上手く伝えることができなかったのです。

ここでもまた人間関係か...と諦めようと思ったこともありました。

しかし、ベジライフに対して自分のためだけではない理由を持ってしまった私にとって、お肉を食べることは「美味しい」ことではなくなっていたのです。確かに味は美味しいけど、喜びのない美味しさでした。

そこで、私が選択したのは雑食ではなく「フレキシベジライフ(フレキシタリアン)」

お肉やお魚はほぼ口にしませんが(スープなどでまれにエキスは口にすることがあります)、卵や乳製品については無理をせず極力避けるようにすればいい。

このようにして、菜食を挫折することなく続けることができています。

ベジライフに挫折はない

ビーガンに関しては「挫折した」ということになるのですが、私はこれを挫折とは表現しないように決めました。これから自分が望んでいる選択に向かうための一つの過程だと思うようにしたのです。

そして、これまでの経験を振り返って感じることは、「失敗」とか「挫折」というのは、自分がそう思い込んでいただけということ。

本当は、できるだけ動物性を避けて植物性のものを取り入れることに「やめる」という言葉を使わなくてよかったのです。

人間関係をスムーズにしたいからといって、すべてを元の状況に戻す必要はなかった。自分に関することだけなら思う存分ベジタリアンやビーガンを選択していればよかった。

「ベジタリアン(ビーガン)を挫折した」と表現するのは、「テストで満点を取らなければ不合格」と言っているようなものだったのです。でもこれっておかしい話ですよね!?国家資格の試験でも6〜7割取れば合格です。人は誰しも完璧にはなれません。

少しでも、動物のため環境のため、もちろん自分の健康のためにできることをしていくことが(私にとっては)大事なことだったのです。

もし今、「ベジタリアンをやめようかな…」と悩んでいるとしたら、無理のない程度に菜食を選択する「フレキシベジ」をはじめてみてはいかがでしょう☆