ベジタリアンとビーガンの違いは?ビーガンだってベジタリアン!?

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最近、日本でも少しずつ認知度が上がっている「ビーガン」ですが、ベジタリアンとどう違うの?と思いますよね。

実は、ビーガンとはベジタリアンの一種です。ベジタリアンという大きな枠組みの中に、ビーガンという狭い概念があると思ってください。

なぜなら、ベジタリアンといってもスタイルは多様で、ビーガンも、もともとはベジタリアンの中から生まれたものだからです。

今ではベジタリアンとビーガンは別物?

しかし今では、

ビーガン = 肉や魚だけでなく卵や牛乳、蜂蜜もとらない人。そして衣食住すべてにおいて植物性を追い求める。

ベジタリアン = 肉や魚は食べないけど、それ以外は気にせずとる人。基本的には食だけ。

という分類で使われることが多いです。

しかし、これも便宜的に分けられているだけと考えた方がいいでしょう。ビーガンのライフスタイルを選択していない人の中にも、動物保護や環境保護の活動をしている方はいます。倫理観によるベジはビーガンだけとは言えないのです。

そしてまた、日本でも少しずつ知られるようになったとは言え、「私はビーガンの生活をしています。」と言っても「?」な人が多いのも事実(汗)

そんな時は、「私はベジタリアンで、卵や乳製品も食べません。あ、それから蜂蜜も控えてます♪」

と表現したほうが、伝わりやすい場合もあるでしょう。

 

ではでは、ベジタリアンの種類の後編として、基本的に卵も乳製品も摂らない食スタイルをご紹介します!

ベジタリアンの種類#2

☆前編はこちら

 

ダイエタリービーガン

食生活以外で動物性のものを利用するかどうかは、ビーガンの食生活を取り入れている理由によって違ってきます。

「ダイエット」は「日常の食事」ということ、もちろん日本で広く使われている体重管理のための食事の意味ももっていますが、通常「食習慣」といった意味で用いられます。
「食事のビーガン」ということで、肉・魚・卵・乳製品、そして蜂蜜も食べない食生活をしている人たちのことをダイエタリービーガンといいます。

食事のみなので、衣類や日用雑貨に関して動物性かどうかは厳格には気にしません。

しかし、最初は「健康」を目的としてビーガン生活を始めた人たちも、数年もしていろいろな情報を知っていくと自然とリアルファ―を避けたり、本革製品に魅力を感じなくなったりしていくのだと思います。

また、健康面だけにフォーカスしてビーガン生活をしている人は、挫折してしまう人が多いのも事実です。

オリエンタルビーガン(オリエンタルベジタリアン)

東洋の伝統的なベジタリアンです。植物性食品のみをいただくのはビーガンと同じですが、これに加えて五葷(ごくん)を食べないのが特徴です。

五葷(ごくん)とは、にんにく、ショウガ、ねぎ、にら、あさつきといった刺激の強い野菜のこと(今では玉ねぎも含むようです。六になりますね。)です。 なんだか体に良さそうなものばかりですよね。しかし、この一見カラダを元気にしてくれそうな野菜たちは刺激物であり、アルコールやカフェインなどと同じように、食すると体の負担になることがあるとされているのです。

仏教の影響が強いベジタリアンの形です。

ビーガン (エシカル・ビーガン/ピュア・ベジタリアン)

動物を解放しよう!地球を守ろう!飢餓をなくそう!そして、みんなで健康になろう!!という「信念」を持って菜食生活をしている人たちのこと。

今では、日本でもビーガンという言葉を耳に目にするようになりました。私が初めて菜食に出会って取り入れるようになった8年前は、ビーガンという言葉はまだ日本では一般的ではなく、マクロビからスタートした私は、菜食をしていたにも関わらずビーガンについて詳しいことは知らず、雑食に戻ってしまっていた時期もあったので、ビーガンという考え方について詳しく知ったのは5年前のことです(汗)

ビーガンは、肉・魚・卵・乳製品・蜂蜜を食べないだけでなく、衣食住に関する様々なところで、動物性のものや、動物の犠牲のもとに作られているもの(化粧品の動物実験など)を避けようと努力します。もちろん、現代において100%のものを動物が関わらないものにすることは不可能です。公共機関も利用できなくなります…。

しかし、できる限りのことをやり、これから動物の搾取がない世の中になるよう願って生活、活動しています。

他のベジタリアン、フレキシタリアンの人たちも多くの人が、同じような願いを持っています。

それでも、行動に移せるかどうかは、置かれている環境、体質なども関わってくるのでしょう。

何より、思いの強さも大きいのではないでしょうか。

 

ローフーディスト

どちらかというと健康になることを追求した食生活です。

raw(生の)という意味そのままで、生の食事をしよう!というもので、酵素が豊富に残っているといわれる45~47℃以下で調理された食べ物を摂取します。

生であれば、肉も魚も食べるという人もいます。しかし、ローフーディストの大半は肉・魚・卵・乳製品を摂らない人が多いです。

ローフーディストといっても様々で、100%ロー!!という人から、80%~70%くらい取り入れる、季節によって変えるという人までいろいろな形があります。

ロースイーツは私も好きで、「これ本当に全部ロー!?」と驚くほど、とても美味しいケーキを頂けるレストランも増えています。

ロービーガン

「生の蜂蜜」があることは知っていますか?通常スーパーで売られている蜂蜜のほとんどが、加熱殺菌処理をされているので生蜂蜜ではありません。

今ではスーパーでも見かけるようになったかもしれませんが、健康食品店やネットショップの中には、非加熱もしくは低温で殺菌、濾過された蜂蜜が売られています。管理が大変なので、少々お高いですが、加熱されたものよりカラダに優しいとされていますので、その分価値があるのでしょう。

お肉や魚、卵はもちろんのこと、生であっても蜂蜜は食べません!というのがロービーガンの人たちです。ビーガンのひとが食べる食べ物をできるだけ生で摂取します。

生のサラダはもちろんのこと、フルーツは重要な栄養源になります。

ロービーガンの人は、倫理的な理由で菜食をしているが、さらに健康も追及しているということなのでしょう。

また、火をほとんど使わないのでエネルギーの使いすぎを防ぐことができ、エコであるとも考えられますね。

マクロビアン(マクロビオティックの実践者)

これもまたローフーディストと同じで、健康を追求した食のスタイルになります。

陰陽五行に基づいたマクロビオティック食を食べる人たちのことです。

玄米菜食」が基本で、元々は魚や卵も場合によっては食べるというものでしたが、今では動物性のものは避けるように、とする指導者が増えているようです。理由はさまざまでしょうが、倫理観の変化も大きいのではないでしょうか。

マクロビのレストランでは、魚や卵を使ったものがある場所もあります。そのような場所でもビーガン対応のメニューも多いので、ノンベジとベジの人同士の食事会でも利用できます。

今はコンビニでも森永が出している「マクロビ派ビスケット」が売られるようになりました。森永が出しているという……そっちの方向に移行してくれたら嬉しい限りですね!

マクロビオティックは、日本人にとって受け入れやすい菜食の形だと思います。かく言う私も、菜食生活との最初の出会いはマクロビでした。

最初に取り組んだのは7号食。これで、驚くほどの体調改善ができました!7号食について詳しい内容や体験記はまた別の記事で公開します。

フルータリアン

日本語では、「果実食主義者」と訳されますが、フルーツやナッツなどを中心にした食生活をしている人たちのことです。

倫理的側面でいうと、木になっている果実は、植物そのものを殺すことにはならないという思想です。根っこを食べてしまう根菜食は耐え難く、全体を収穫する穀物や葉物の野菜も生命を奪う行為と考えます。厳格な人では、木から自然に落ちた果実が理想であるとしている人もいるようです。

現在フルータリアンとして生活している人のすべてが、「植物を殺したくない」という概念を持っているわけではないでしょう。ビーガンの考え方が基本にあり、さらに人間は元々、「果実食性」であるという考えのもと、人間には果物や果菜(トマトやキュウリ)、ナッツなどが適しているとしてこの食生活を取り入れている人もいます。

倫理面と健康を追及している点で、ロービーガンと似ていますね。

 

番外編

ここからは番外編として、ベジタリアンという分類ではありませんが、ライフスタイルにこだわりを持っている人たちをご紹介します。

リキッダリアン

リキッド(液体)だけを摂取して生活している人です。肉や魚のエキスや牛乳を飲むのであれば、ベジタリアンではありませんが、基本的に水や野菜、果物のジュースを飲んで生活している人が多いようなので、ベジの人が多いでしょう。

ただ、一時的にリキッダリアンになって体質改善する(消化器官を休ませる)ことは多くの人が取り入れていますが、継続は困難な食生活…いや飲生活でしょう。

液体のみ摂取するということは、ファスティング(断食)が思い浮かびます。私も何度も取り組んでいますが、カラダがクリーンになって、頭もスッキリします!短期的にリキッダリアン生活をしてみるのはいいかもしれませんね。

ブレサリアン

もうこれは、尋常じゃない状況です。ブレス(呼吸)のみで生活する人たち。呼吸と太陽光で栄養を作るようです。

いやいや、そんなバカな…と思いますよね。でも実際このような生活をしている人がいるのです。

有名なのは、インドのプララト・ジャニさん。70年間飲まず食わずで生きてきたという人です。15日間に及び厳重に管理され観察された時も、水の一滴も飲まず、排便排尿もなしで元気に過ごしていたそうです。

不思議なこともありますね。常識って存在しないなぁということをここからも感じることができます。

日本でも、栄養を取るための飲食はしないという弁護士の秋山佳胤さんが有名です。年に数回、家族の誕生日にケーキを食べたりなどするようですが、基本的に不食生活で、水も飲まないそうです。

ベジな生き方は無数にある!

ここまで、前編後編とどのようなベジタリアンがいるのかご紹介してきました。

「ベジタリアンには種類がある」これは事実なのですが、結局のところ、ひとりひとりのライフスタイルが違うので、同じ「○○タリアン」でも動物性のものを取り入れる頻度だったり、目的だったりで異なってきます。

例えば、あるポウヨウ・ベジタリアンの人が、「クリスマスの時だけは鶏肉を食べますが、それ以外はお肉を食べません」と言いました。そして、その隣の同じくポウヨウ・ベジタリアンの人は、「牛や豚は食べませんが、鶏肉は好きで良く食べます」と言いました。

あなたは二人が同じ種類のベジタリアンだと思いますか?前者は、フレキシタリアンなのかな?と思ったら、魚介類は食べると言うので、そうなればペスクタリアン?

・・・・・・なんだか混乱してきました(汗)

ビーガンの中にも、ビーガンとしての生き方をはじめる前に持っていた革製品を使用し続けている人もいれば、使うのもはばかれるとして譲ったり処分する人もいます。

今私ができるだけ植物性のものを取り入れた生活をしていて思うのは、「健康で優しく平和な人生を送るための選択は無数にある」ということ。

はじめ方も、進み方も、それぞれのスタイルがあっていい。

ただ、ひとりひとりが「より良い人生を、そしてより良い世の中を」という願いを忘れずに生きていくのがいいのかなと感じています。