あなたは「ベジタリアン」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
ベジタブルな人ってこと?野菜ばっかり食べている人かな!?
何かを信仰している人?健康に気を使ってるんだね。
このような感じでしょうか。
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野菜を食べなくてもベジタリアン!?
しかし、ベジタリアン(vegetarian)の語源は、ラテン語の「vegetus」です。
vegetusは、「生き生きと活気がある。心地が良い。」といった意味を持っています。
ベジタリアンと言ったら、ベジタブル(vegetable)が由来の言葉のように思えますが(実際私もそうでした…)、実は野菜=ベジタリアンではなかったのです。
生命力にあふれた健康な生き方を求めて肉食をしない人のことを「ベジタリアン」と表現するようになりました。
そのため、野菜を食べなくても、肉食をしないのであればベジタリアンです。例えば、フルータリアン(果実やナッツ中心の食生活)もベジタリアンということです。
ベジタブルはラテン語の「vegetare」が語源で、これには「活気のある」という「vegetus」と同じような意味があります。
野菜は、わたしたちの身体を活気づけてくれるものであるということが、このことからも感じられますね。
肉を食べてもベジタリアン?
活気のある人という思いが込められた「ベジタリアン」はいったい何を食べているのか?
それは人それぞれの主義主張や目的によって様々です。
卵を食べる人もいれば、乳製品を摂る人もいます。動物が関わるものは一切口にしない人、反対に、お肉もたまには食べる人。
このことは、オリンピックに向けてなのか、グローバル化が進んでいる地域の飲食店では特に知られるようになっています。
先日、ホテルのレストランで食事をする機会がありました。その時、「ベジタリアンなのですが、対応していただけますか?」と聞いたところ、「ベジタリアンでもいろいろ種類があるようですが、お客様が避けられたいものはなんでしょうか?」と丁寧に対応してくれました。もちろん、卵も乳製品も避けられるなら避けたい私はバターなしにしてもらったベジサンドイッチを頼みました。ただ、パンには卵が使われていたかな(卵も避けたいとは伝えたのですが…)と思います。アレルギーがあると説明しちゃったほうが、お店側もより厳格に調べてくれるので確実に避けられそうですね。
それでは、ベジタリアンの種類には主にどんなものがあるのでしょうか?
今回は、前編として、動物性のものもある程度は取り入れる食スタイルをご紹介します。
(後編はこちら)
ベジタリアンの種類#1
ベジタリアンの中には、何を食べて何を食べないのか、そして食以外のライフスタイルに影響しているかどうかなどで、いろいろな種類があります。
ベジタリアンと表現できる生活をしている人は、基本的に穀菜食です。しかし、動物性食品には、肉・魚だけでなく卵・乳製品・蜂蜜といったものがあります。これらのものの中から、肉だけを食べないのか、卵や乳製品も避けるのかで呼び名が変わってきます。

セミ・ベジタリアン
これは、セミ(半分、やや…)なベジタリアンということで、肉や魚も厳格に制限しません。ただ、食す割合は現代の一般的な食生活と比べると少なくしているというスタイルです。卵や乳製品は基本的に避ける対象ではありません。
フレキシタリアン
今は、フレキシタリアン(柔軟な菜食主義者)という言葉も出てきました。2003年度にはアメリカで流行語大賞的なものに選ばれたほど、海外では浸透しているようです。これは、セミベジタリアンより、倫理的な意味合いでの少肉食で、ビーガンを貫くことは難しいけど、世の中から肉食を減らしていきたいという気持ちいがある人たちがとっているスタイルのようです。卵や乳製品、蜂蜜についても基本的には避けたい対象になります。
現在の私は、卵・乳製品・蜂蜜についてはフレキシタリアンということでしょうか。
ポウヨウ(チキン)ベジタリアン
植物性のものを中心とした食生活の中に、卵・乳製品・鶏肉は食べるという人たちのこと。
鶏肉を食べるのにベジタリアン????
そうです。学術的な分類では鶏肉以外のお肉を避けた食生活をしている人もベジタリアンに含まれます。
ポウヨウベジの人がもし倫理的な理由で避けているとするならば、牛や豚といった四足の哺乳類は、より人間に近く感情移入してしまう…ということなのでしょう。
ペスクタリアン(ペスコ ベジタリアン)
植物性に加え、卵・乳製品・魚は食べるという人たちのこと。
ポウヨウベジタリアンがあるのだから、もうなんら不思議ではないと思いますが、魚介類を食べていてもベジタリアンと分類されます。
かつて日本人は、お肉は滅多に食べない民族でした。食用で家畜を育てるのではなく、狩猟でシカやイノシシなどを食していたりはしましたが、仏教の伝来で獣肉食への嫌悪感が浸透したり、島国で漁業がしやすかったことからも、肉食が主流ではなかったようです。
昔の日本人のほとんどがペスクタリアンだったということですね。
ラクト・オボ・ベジタリアン
肉や魚は一切食べない。けれど、卵や乳製品はいただく。そんな食生活の人たちのことを言います。
ラクト・オボ・ベジの人は、基本的に卵や乳製品を制限せず好きなようにいただく人が多いです。
私は気にせずいつでも食べているわけではありませんが、厳格に制限していないので、ラクト・オボ・ベジな人になるのでしょう。(2017.11現在)
魚も、産業廃棄物による水質汚染や放射能の影響で安全な食品とはみなされなくなってきています。健康面を考えたベジタリアンがまずはじめやすいスタイルといえますね。
オボ・ベジタリアン
オボ(ovo-)は、「卵の」という意味です。オボ・ベジの人は肉・魚・乳製品は食べませんが、卵は食生活に取り入れています。
倫理面で考えているとすれば、哺乳類である牛を搾取する乳製品は避けたいけど、鶏の卵なら無理やりとっているわけではないし…といったところでしょうか。
あとは、乳製品は体に毒であるという情報が増えているため(真実は不明、私の見解は「体に良いとは言えない」…です。)、健康面を考慮して動物性たんぱく質を卵に絞っている人も多いでしょう。
ラクト・ベジタリアン
ラクト(lacto-)は、「乳の」という意味で、ラクト・ベジの人は卵は避けますが、肉・魚・乳製品は食べます。
乳製品は命を頂くわけではないけど、卵を食べることは生命を経つ行為だから避けたいという倫理観があるのかもしれません。
また、チーズが大好き!という人にとって乳製品を避けることは苦痛なのでしょう。
確かにチーズがたっぷりのピザは美味しいですよね。ですが、今はビーガンチーズがネットで気軽に購入できる時代です!チーズが食べたいからビーガンは…という心配はいりませんね!
やっぱりベジタリアンはお肉を食べない!?
ここまで、動物性の食品を完全に制限していないベジタリアンについて語ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
鶏肉を食べれるんなら、ベジタリアンになってもいいかなと思いましたか?
セミ・ベジやフレキシタリアンなら今からでも取り組めそう!と感じて頂けるととても嬉しいです☆
自分の身体のためでも何でも、目的は何でもいいのです。
0か100か、黒か白かではなく、その間にある無限の広がりの中からにも、必ず何かいい方向に変えていく力があります。
健康のための行動であっても、結果的に動物や環境のためになっちゃうならこんないいことはありませんよね!
ただ、ポウヨウ・ベジタリアンもペスコ・ベジタリアンも学術的にはベジタリアンに分類されていますが、国際ベジタリアン協会(IUV)は、魚、鶏肉を常食とするものをベジタリアンとは認めていないそうです。

千里の道も一歩から!
しかし、IUVに認めてもらうための行動ではなく、自分自身のライフスタイルをより良くより優しいものにするために行動を変えてみようと思うなら、少しずつ、自分のできる範囲でいいと私は思います。
一気に変えられる人はそうして、いきなりは無理な人は、まずは牛肉を食べることからやめてみるなどを心がけてみてはいかがでしょうか。そのまま、牛肉だけ食べない生活を続けるのも、次にステップアップしていくのも人それぞれ。
私も、今(2017.11)はまだ卵や乳製品、蜂蜜を完全に食べない状況にはできていません。でも、自分の行動が無意味だとは思っていませんし、何よりお肉をやめるとカラダもココロも楽になります。
週に一日でもいい、多くの人が、動物性食品を少しでも減らしていこうと意識するだけで、世界は変わるかも☆